あれからもう2年
時が止まってしまった様で、立ちすくんだ時間。
それでも、故郷の山々は何も無かったかのように、私達を抱きかかえ、守り、育てる。
あんなに大変な事が有ったのに、何も無かったかの様に季節は又巡りくる。
沢山の命が奪われ、その後、やっと助かった命さえも・・生き抜く事が出来なかった、
悲しい現実。
私達には、辛くて悲しい思いを忘れようとする心があるから、楽しかった事だけが記憶に残る。
しかし、決して忘れてはならない事も有る。
これから生まれようとする命に、不安を与えてはならない・・。
福島で生きて行こうと「覚悟」を決めた若いお母さんたちの「心の不安」に、責任を持って答えなければいけない。
今 あなたにしか出来ない事が有り、私には出来ない物も有る。
私達の役割は、人それぞれに違います。
今、私達一人一人が、この世の中の流れを、ただ見物するのではなく、あなたの溢れんばかりの思いを、力を この時に見せて欲しい・・。
困難の中に居る人たちを、第3者として見る事無く、他人事だと思わず、心を寄せる人になって欲しい。
私は、色々な方の悩みに耳を傾けています。
講演会や、コラムも書いています。私は時々天国へ行き、亡くなった方と話をしたり、
時にあなたの会いたい人をここに呼び、一緒に相談して物事を解決したりしています。
私は、様々な魂と話をすることが出来ます。勿論、生きている人の気持ちも分かります。
私には、こういうものが与えられました・・私の役割です。
しかし、あなたに与えられた役割は、もっともっと大きいと思っています。
私達が生まれる時、あなたは神様とある約束をしました。
「皆 助け合って生きなさい。
困っている人がいたら助けなさい 心を添えて生きなさい。」そうしてあなたは
「はい、そうします」と言って生まれて来ました。
「いや私は、自分だけが幸せになれれば良いんだ。人の事は、どうでもいいんだ」・・
そう思ったなら、あなたはこの世に生まれる事は出来なかったのです。
あなたはそんな事、もうすっかり忘れてしまっているでしょう。
人は長くて100年生きます。そうして身体は親から頂いたものなので、土に還りますが、あなたの魂は、神様の住む天国へと帰ります。
その時に聞かれるんですね。「私との約束はどうした」ってね。
その時にあなたは、何て答えますか?どの様に答える事が出来るでしょうか。
今 この目に映る景色は2011年3月11日以前となんら変わりは有りません。
ただ、見えない物と戦い続ける、恐怖がいつも私達の心を掴んで離しません。
若い夫婦に安心して家族を増やせる様に、もっともっと子供たちの成長が楽しみになれる様に、と願わずにはいられません。
今この時、何を一番にやらなくてはならないのか。
何が一番大切なのか。
ともすれば、私達は時に流され、楽に生きようかと思ったりもします。
嫌な事は、忘れようとするかもしれません。
このような時、私達は祈ります。
でも何を祈って良いのか分かりません。
宗教のある人は、拝む対象が有りますが、私達には、拝む対象が有りません・・。
しかし、あなたは何かを信じて生きています。
「それは自分です。」
あなたは気が付いていないかも知れませんが、「あなたは自分を信じて生きています」
膝をついて祈る事も「祈り」ですが、毎日を生きる事も祈りにつながっています。
困った人に心を寄り添う事も、祈りです。福島の野菜を買う事も「祈り」につながっています。子育てもそうです。あなたは、いつも祈りの中で生活をしています。
自分を信じていない人は、誰ひとりいないのです。
ですからこういう時こそ、今一度自分に立ち返り、自分を見つめ、
どんなに小さくても良いのです。自分の出来る事を探し、困っている人達を他人事と思わず、心を添えながら毎日を過ごして行きましょう。
せめて私達は、乾いた地に咲く一本の凛とした花でありたいものです。